お地蔵さん修復日記 その六(工房訪問)


 お地蔵さん修復作業の進捗確認にため、お世話になっている栃木県鹿沼市の仏像修理工房「三乗堂」さんを訪問しました。

 三乗堂さんは、2017年日光山輪王寺三仏堂三尊の修理現場で出会った女性3人が、仏像修理の奥深さに触れ修理工房を起業したそうです。その後、日光山輪王寺さんから「風神」「雷神」の実物大複製像の制作を任され、完成した「風神」「雷神」は現在、輪王寺大猷院二天門に安置され世界遺産の御霊廟を守護しています。これらの活躍と丁寧なお仕事により、近年は全国の寺院や一般家庭から引き合いも増え大忙しの修理工房です。

 

 9/1は、鹿沼市の工房にお邪魔して、修復に必要な道具等について説明を受けました。彫刻刀だけで様々なサイズのものが30本以上あり、、、ビックリ!

 所有者の許可がないので写真はありませんが、うちのお地蔵さんよりも大きなお地蔵さんがちょうど解体作業でバラバラにされていたり、阿弥陀さんの光背の無くなっている小さな仏像(化仏:けぶつ)の補作をしていたりと興味津々の訪問になりました。


 9/2、そしてこれも三乗堂さんとのご縁です。輪王寺さんにお参りし、3人が複製した風神さん・雷神さんにもご挨拶させていただきました。

 「風神・雷神像」は造像から長い間、日光東照宮・国宝陽明門の守護像として安置されていましたが、明治時代の神仏分離政策により日光山輪王寺・重要文化財大猷院霊廟(徳川三代将軍家光公を祀る)二天門に移されました。

 元々の両像は修理後、お像の激しい劣化を防ぐため宝物殿に保管されており、公開時には拝観することができます。作者は不明ですが、制作年代は約380年前の陽明門造営の時期とみられます

 

 住職&大黒、5か月ぶりのお地蔵さんとの感動の再会は、鹿沼ではなく三乗堂 小山工房でした。

すっかり綺麗にクリーニングされ、欠失箇所も補作されたお地蔵さん、、、、凛々しいです♡

 

 現在のところ木地作業が完了したようです。今後は、胸飾りのガラス玉補作、漆塗り、箔押し、補彩、古色仕上げ等を進めていきます。

詳細は最終的な報告書で示されますが、修復の過程で新たに分かった事などいくつか説明を受けました。

 

 三乗堂の中さんが像底部の説明をしてくれました。

 鎹を打つ場所については元々の穴の箇所を一度ヒノキ材で埋めなおしてから、打ち直す様ですね、丁寧だな~

 

 本躰は12月に戻ってくる予定です♡