お地蔵さん修復記(その二十六)台座(背面材・心棒)新補


【台座】

1.背面材を撤去し、新補(蕊~框部)

 蕊〜框部まで薄い背面材が固定されていた。

 構造材を支える大事な背面材だが、

 ① 木材が薄いため強度にかけていること

 ② 尊容を損ねていたこと。

 以上のことから撤去し、ヒノキ材で新補した。

背面材撤去前(蕊~框部)

背面材(反花)撤去中



構造材としての背面材

(上の角度から見た蕊の背面材)

化粧板としての背面材

(ステンレスビス固定)


 各段の十字の構造材も支えられるように構造材としての背面材、そしてその上か ら化粧板としての背面材を取り付ける二重構造にした。

 構造材の背面材と化粧板の背面材は新補同士のため、膠と麦漆の併用接着を行い、更に木材と木材はステンレスビスで固定を行った。

 オリジナルとの固定は真鍮釘で行った。

 

 仕上げはアクリル絵の具で周りの色に合わせて補彩を行った。


構造材としての背面材

(反花~框部)

化粧板としての背面材

(蕊~框部)

最終仕上がり



2.心棒 新補

 心棒は虫喰が激しく、グラつきがあったため、ヒノキ材で新補した。

 

 蓮華座〜框部(上段)までは丸穴だが、框部(下段)は四角穴のため、心棒の先端は四角に整えた。


心棒撤去前

撤去前の心棒先端の四角枘

心棒 新補